夢も希望もあるのだが

タイトル通り、夢も希望もあるけど無味乾燥な日々を淡々と生きようとするブログです。

世間では「パン屋」ではなく「ベーカリー」が増えているように思うのだが

お題「ベーカリー(パン屋)で必ず買ってしまうパン」

 

 ベーカリーの良し悪しを見分けるには、シンプルなパンを買うのがいいだろう。バゲットとか、せいぜいレーズンの入ったパンとか、なるべく雑みのないもののほうが、そのパン屋の職人の腕がわかるというものだ。しかし、自分はそんな原則はガン無視で菓子パン系を買ってしまう。チョコレートが練り込まれているものとか、あんこが挟まっているものとか、とにかく甘いものに手が伸びがちだ。

 

 とりわけどこでも買ってしまうのがクリームパンである。クリームパンなんて、主従関係で言えばクリームのほうが種であって、外側のパンのほうが従であろう。どれだけ外のパンがカリッカリのモッチモチだったとしても、中のクリームが薄かったり自分の好みのタイプの味でなかったりしたら、おそらくそのクリームパンはもう食べたいと思わないし、店にも足を運ばないだろう。なので、もし自分にとって足繁く通いたいベーカリーがあるとすれば、それはクリームパンの中身のクリームが美味しい店であって、その軸で選ぶならばベーカリーを巡るよりケーキ屋でシュークリームの食べ比べをしたほうが望むものにあたる確率が高いのだ。

 

 正直なところ、自分がベーカリーにとってはそれほど良い客ではないと思う。国産(あるいはフランス/オランダ産など、箔が付いてそうな産地)小麦を使ってますとか、当店オリジナルの〇〇パンです等と言われてもピンとこない。さすがに焼きたてパンの美味しさはわかるが、わざわざこのパンは何時に焼き上がりますかなどと店の人に訪ねてまで訪問しようとは思わない。パンの気分の日にベーカリーを見かけたら、ふらっと入って売られている甘そうなパンを1つ2つ物色して会計して出ていくだけである。

 

 自分の味覚は子どもに近いので、世の子どもたちもそういう気持ちで「パン屋さん」を認識していると思う。なので、ライ麦の入った食べごたえのあるレーズンパンとかが売りの、そもそも大人向けっぽいベーカリーには入ろうとも思わない。自分がパンに求めているのは甘さであって、主食としての役割ではない。あくまでポケモンパンで育った日本人なのだ。ベーカリーも集客に苦労するところは苦労するのだろうと思うが、自分のような客は実は多数派なのではという気がするので、マクドナルドのハッピーセット方式というか、「幼児を菓子パン漬けにする」戦略が実は集客には向いているのではないかという気がする。というかそういう店が増えると少なくとも自分は喜ぶ。バゲットを買うフランス帰りの丁寧な暮らしをしている人なんて数えるほどしか居ないだろう。甘いパンを求める大衆の方を向いて商売してくれることを切に願う。