自分はよく酒を飲む。飲まないと生きていけないアル中というわけではないが、けっこうしんどい二日酔いに苦しめられることもしばしばあるので、わりと普通よりもボーダーに近いのではないかと思う。
人間、飲むと行動は単純化するもので、機械的にコップを口元に運ぶ動作を繰り返すようになることが問題なのではないか。例えば水にいつの間にかすりかわっていても多分気づかない。それはいいとして、タイトルに戻るが、他者がいる場面でそうした状況に陥ってしまうと、ハラスメントの可能性を常に抱えることになるということを問題提起したい。
現代社会において、ハラスメントは社会的な死に直結する。何かを強引に迫るという昭和的なハラスメントにいかなくても、自分の言動で誰かが傷ついた場合、現代社会では過失であっても行為者に責任が帰属させられる。したがって、高度な言動の抑制が必要なわけであるが、アルコールはこの抑制を利かなくさせる。その結果もし立場が弱いとされる存在に対して不適切な言動を取ろうものなら、酒のせいでしたで済まされる問題ではないだろう。
「飲み会だから」という言い訳が通る場合もあるが、それはある程度関係性がある場合に適応されることでもあるし、最近は親しいと思っていた間柄であっても、「実はあのとき私は傷ついていました」という訴えは十分以上の同情を集める。実際に傷ついていたならそれは問題とされるべきなことには同意するし、社会的にそれを問題とする方向に進んでいくより他ないだろう。
自分は幸運なことにハラスメントをせずに(あるいは、していた場合も表面化せずに)ここまでくることができた。しかし、現状のような暮らしをしていれば、いつか必ずハラスメントの加害者として訴える未来が見える。自分とて成人ではないのだから、他者を傷つけるような言動が頭の端に浮かんで、いやこれを言うと良くないのは目に見えているなという理由で言葉にしないこともある。しかし、アルコールの助けを借りて一度それを「うっかり」口に出そうものなら、社会的死を迎えて火葬場一直線である。これはよくない。
最良は飲酒を断つことだと思うが、やはり「飲みニケーション」が生きているところでは生きているのが現代なので、今まで飲むやつで通してきた以上断りにくいという事情もある。また、生活に支障をきたすという程ではないので、禁酒外来に駆け込むほどではないとも思っている(この認識が既に誤りなのかも知れないが)。
と、頭によぎった問題についてつらつらと書いてみた。某芸能人の某報道を見てやる気を失っただけである。